ACN 養殖用種苗生産速報

2008年9月~12月出荷尾数、2009年1月~ 予測

<マダイ>
2008年9月~12月の種苗生産尾数は山崎技研、ヨンキュウ等民間10社で約2,400万尾(年明け沖出し尾数も含む)であった。 この中から実際に出荷される尾数は選別等で減少するため、半分以下になるものと思われる。
成魚の販売低迷により、各地のマダイ在池は非常に多く種苗導入のイケスが無いなど、種苗生産数の減少に直結する事態である。 昨シーズン(2007年9月~2008年8月)のマダイ種苗生産数は1昨シーズン比10%減となったが、今シーズンは更に減少すると推察される。 種苗業者の中にはマダイ種苗から撤退するところもあり、大手種苗業者にとっても注文の出足が遅く、見込み生産にならざるを得ないような状況である。
夏越し種苗については、2007年の秋には販売不振のため種苗業者が1,300万尾在庫していたが、2008年は生産調整などで約620万尾に半減し、年内に約500万尾が販売され種苗業者での在庫尾数は約120万尾と推定される。

<トラフグ>
2008年9月~12月の種苗生産は近畿大学、大島水産種苗など民間3社のみであった。 生産尾数は18万尾で昨年の 58万尾よりさらに減少した。 年内の出荷は約5万尾で、早期物を導入する養殖業者は減少しており、本格的な出荷は4月以降の種苗に集中する模様である。 したがって採卵時期も12月より親魚を養成し1月上旬以降が主流になっている。 また、一部の業者は低水温時期での稚魚の沖出しを避けるため2月採卵に順延し、3月下旬から4月上旬沖出しへ変更している。
中国の種苗については、トラフグも生産されてはいるが日本と韓国への輸出が減少傾向にあるため、シタビラメやターボットへの転換が進んでいる(図1)。 しかも韓国ウォンの暴落で対韓国向け輸出は当面期待できないため、中国ではトラフグ種苗生産意欲が更に減退することが予測される。

中国からの輸入が減少したとしても、昨シーズンの種苗出荷数量が増加したこと、そして歩留まりが良かったことや成魚価格の暴落の影響を考慮すると今シーズンのトラフグ種苗の需要が増加するとは考えられず、見込み生産は避けた方がいいと思われる。 昨年、大分県では陸上ヒラメ養殖からトラフグ養殖への転換の動きもみられたが、トラフグ価格暴落を受けて、この動きはストップするものと思われる。

<ヒラメ>
2008年9月~12月のヒラメ稚魚の出荷尾数は、まる阿水産、長崎種苗など民間8社で106万尾と昨年同期の210万尾に比べてほぼ半減した。 韓国のウォン安を受けて大量の成魚が輸入され、国内成魚の出荷が進まず、種苗導入の池が確保できないことが主因である。 出荷サイズは7cmupで浜値90円/尾。ただし池入れ意欲が低いことが影響し、10cmupの種苗の在庫が目立っており10cmupについては9.5円/cmに抑える動きもある。
新型連鎖球菌症やエドワジエラ症等により昨シーズンの養殖歩留まりは一段と低下しており廃業する養殖業者も出始めている。 一部業者では早期種苗の導入が進み、疾病による歩留まり低下を見込んで種苗導入尾数を増加する傾向にあったが、危機的な水準にあるウォン安が落ち着かない限り業者の池入れ意欲増進は期待薄である。

<シマアジ>
例年通りノグチフカが秋口に採卵したのをはじめ、近畿大学や山崎技研も順調に生産している模様。 マダイ、カンパチなど魚価低迷や販売不振が続く中、シマアジはここ数年安定している。 これに伴い稚魚の需要が高まる動きが見られており、既に例年販売尾数の数倍に及ぶ注文が入っている業者もある。 既存業者は現状では大幅な生産増は難しいものの生産量増加の傾向にある。昨年まで試験的に生産してきたバイオ愛媛が1月初旬より採卵を開始しており、今シーズンから販売する模様である。別途1月中旬から仕込みを開始したマリーンパレスの動向も注目され、7社(民間6社、公的1事業所)で約360万尾が出荷予定である。
歩留り次第で最終的な数量は前後するものの、昨シーズンの全体の出荷尾数289万尾を上回る可能性が大きい。

文中社名敬称略

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