2011年2月25日
太平洋貿易株式会社
代表取締役会長 田嶋 猛
日本から中国、香港、韓国へどのような魚類がどんな形態でどれ位輸出されているか?
(表1)輸出鮮魚と冷凍魚では単価では香港が1桁高いが、数量、金額では中国が他を圧倒している。
(表2)代表的な魚種としては、中国向けは サケとタラ(スケソウ)で金額の80%を占め、他にサバ、サンマ等、中国向けのサケの大半は加工されてEUや米国に再輸出される。
韓国向けはタラ(スケソウ)が40%で、その他タチウオ、サバ、サンマ等がある。
(表3)活魚輸出は、大半が韓国向けで、マダイが圧倒的に多い。
マダイ輸出は1990年頃から輸出が始まり、2000年には数量で5,660トン、金額で36億円のピークとなった。
韓国向けのその他魚種はメジナ、イシダイ、イシガキダイ、ブリ等。
香港や中国への活魚輸出は年間5トン以下で金額的にも1千万円程度で、ビジネスとしては今後に期待したい。
(表4)日本から輸出されるマグロ類は単価が高いので刺身用である。
すなわち、いわゆるホンマグロにメバチなどを加えたもので合計で300トン程度である。
中国向けは増加傾向だが、香港向けは200トン前後で安定している。
(表5)注目されるホンマグロだが、中国、香港合わせても30トン足らずで、金額でも1億未満とマスコミでの話題性とは裏腹に意外と少額な取引であることが分かる。
因みに、2010年の中国向け輸出20.3トンの内訳は長崎空港から12.5トン、福岡空港から7.3トンである。
長崎県ではマグロに限らず鮮魚輸出を官民一体となり推進しており、その中心に長崎魚市㈱があるが、輸出手法は長崎方式とも言われており他の都道府県も、興味を示している。
以上