中国シタビラメ種苗・養殖・料理店の視察報告書

太平洋貿易株式会社  田嶋 猛

<日 程> 平成21年4月24日~26日
<訪問先> 海陽市 黄海水産有限公司(薛副社長)
南海漁村(地方の海鮮料理店)
青島市 海夢園美食城(都会の海鮮料理店)
■海陽市 黄海水産有限公司(種苗生産と養殖)

海陽市黄海水産有限公司は青島市から東へ車で約2時間の山東半島の南側の砂浜海岸にある。 薛副社長によれば従業員は200人、最低賃金1,000元(15,000円/月)。取水は砂浜に設置した井戸の浸透海水を利用している。水温は14~24℃で外海水との温度差は約3℃である。但し27℃が1ケ月続くことがある。カラアカシタビラメ(以下シタビラメと記す)の養殖適水温は約22℃であり、27℃が3ケ月続くと斃死する。シタビラメの成長はヒラメより少し遅く1年で500~700g、3年で2.5kg。給餌はEPのみで増肉係数は1.2。栄養不良時にはヒレが傷む。
11月に自社で親魚採卵孵化していて、孵化後15日目(?)で選別してビリは棄てる。その後15日ごとに選別する。1月に5cmで養殖場に出荷する。稚魚は殆ど雌であり雄は少ない。
生産魚種はシタビラメ(2種類)、ターボット、ヒラメ、ホシガレイ、クロソイ。

販売価格(浜値)
稚魚 5cm サイズ 3元 (45円)/尾
10cm サイズ 5元 (75円)/尾
成魚 500g サイズ 100元 (1,500円)/尾
1kg サイズ 200元 (3,000円)/尾
1.5kg サイズ 300元 (4,500円)/尾
■青島市 海夢園美食城(都会の海鮮料理店)

海産品に加えて活淡水魚や生鮮魚の品揃えも良く、1階の広いスペースを使用していた。残念ながら客は少なそうでサービスは今ひとつであった。このレストランで活シタビラメの刺し身を注文したが、アンカケ料理のみであった。翌日、海陽市の南海漁村(地方の海鮮料理店)に養殖場から約1kgのシタビラメを持ち込んで刺し身を食べた。
ヒラメより色は黄味がかっていたが、歯ごたえと甘味は強く美味であった。


参考までに平成21年4月1日付の、弊社社員の報告書の価格(下記)と比較してみると、海陽市の養殖場や青島市のレストランの価格はかなり高いようである。

「現在の浜値は55元/500g(1,600円/kg)前後。出荷サイズは700-800gサイズで、メインの消費地は広東省を中心とした南部地域。ちなみに養殖舌平目が市場に出始めた頃は生産者価格(浜値)180元/500g(5,220円/kg)と高価であったが、すでに中国国内では過剰生産気味であり、価格は依然として下落傾向にある。また昨今の不況も価格の下落に拍車をかけている。なお北京の市場での価格は120元/500g(3,480円/kg)、遼寧省興城市のレストランでの価格は178元/500g(5,160円/kg)であった」 (1元=14.5円で換算)

以 上

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